二世帯住宅と一世帯住宅の違いとは?二世帯にするメリット

公開日:2020/03/27  


注文住宅を建てるときに一世帯住宅にしようか二世帯住宅にしようかと悩むケースもあるでしょう。親世帯も子世帯も新しい家を建てたいという状況の場合にはそれぞれが一軒ずつ建てるか、一軒にまとめてしまうかの二つの選択肢があります。一世帯住宅にするか二世帯住宅にするかでどのような違いが生まれるのでしょうか。今回は、二世帯住宅のメリット・デメリットを紹介します。

メリット

経済的な負担を抑えられる

二世帯住宅にするメリットとしてよく注目されているのがコストカットになることです。2軒分の土地を手に入れて、それぞれに注文住宅を建てるのに比べると費用が安くて済むのは明らかでしょう。

一世帯住宅を建てる場合に比べて広い土地が必要になり、家自体も大きめにしなければなりません。ただ、単純に2軒分の建築費用が必要になるわけではないので費用はかなり抑えられます。

土地の購入や建築にかかる費用は親世帯と子世帯のどちらか一方が持つことも、適当な割合で折半することもできます。親世帯がすでに働いてなくて収入が少ないという場合にも子世帯のほうで住宅ローンを組んで家を建てられるでしょう。両方ともしっかりと働いて稼いでいるなら完全に等分で建てることも、収入額などに応じて折半することも自由です。

家の大きさだけ考えれば一世帯の収入で建てるよりも大きなものにできるので見栄えが良くなるのも、外観を気にする人にとってはメリットになります。二世帯分のお金を使えるという視点に立って、コストを削減するのではなく住宅のデザインや設備などにお金を使ってより良い家に仕上げることもできるでしょう。このように費用の削減が可能になるお陰で注文住宅の自由度が高まるのが二世帯住宅にする魅力です。

家族付き合いの機会が増える

二世帯住宅と一世帯住宅では家族としての付き合い方にも違いが生じます。一世帯住宅を隣の土地に建てて隣人として過ごしたとしても、外壁と空間によって大きく隔てられているのであまり接点がないのが普通です。意識的に付き合いをしないと関係が疎遠になってしまうこともあるでしょう。

しかし、二世帯住宅の場合には一つ屋根の下で親世帯と子世帯が暮らすことになるのでコミュニケーションの機会が豊富になります。大家族として一緒に暮らしていくこともできるので、仲の良い家族の場合にはより良い暮らしを実現できるようになるのがメリットです。

ただ、付き合い方も住宅の設計次第でかなり自由に変えられるので親世帯と子世帯の仲がとても良いとは言えない場合であっても問題はありません。一緒に暮らしたいなら生活空間を全て共有するように間取りを決めれば良いでしょう。やはり互いにプライベートの空間を作りたいと思ったら、キッチンやトイレなどを部分的に共有するだけにすれば良いと考えられます。

完全に独立した世帯として生活したいという場合には玄関も違う場所に作ってしまって、家の中では互いの空間がつながっていない間取りに仕上げれば問題ありません。このような仕様にしたとしても一世帯住宅を2軒建てるのに比べたら安上がりになることに加え、玄関の場所を近くしておけば会う機会も多くなってコミュニケーションが生まれます。

また、大家族として住めるメリットは細かく見ていくとたくさんあります。例えば、子世帯が共働きで子供の面倒をみるのが大変なときに親世帯にお願いしやすくなります。宅配便などの受け取りも互いに任せることができるでしょう。家事も分担して負担を減らせるなど、工夫次第で生活をより良いものにしやすくなるのが魅力です。

子育て・家事の負担を減らせる

子育て・家事の負担を減らせるのも、二世帯住宅のメリットです。「この時間は家事をしたいから、少しの間子どもを見てもらいたい」というときも、親世帯に協力してもらえます。

もしも、子どもを保育園に入園させることができなかった場合も、親世帯に協力してもらいながら自宅で子育てができます。一世帯住宅の場合は両親が遠くにいたり、両親宅へ子どもを預けるのに移動時間がかかったりしますが、二世帯住宅ならその心配もありません。

また、共働き家庭の場合、通常なら仕事から帰ってきてから家事をすることになります。しかし、二世帯住宅なら親世帯に家事を手伝ってもらえるので、家事をする負担を軽減できるでしょう。

相続税を抑えられる

一世帯住宅の場合と二世帯住宅の場合とでは長期的に見たメリットにも違いがあります。通常は親のほうが先に亡くなってしまって遺産相続をすることになり、一世帯住宅を2軒建てた場合にはその相続でかなり大きな相続税を取られることになるでしょう。

しかし、一つの家を子の名義で建ててしまっておけば相続する必要がありません。また、親世帯がいなくなったとしても子世帯は住み続けることができ、孫世代が家族を持つようになったときに同居することが可能です。

一世帯住宅を2軒建ててしまった場合には相続したとしても空き家になってしまうリスクが高く、孫世代が使おうと思った頃には建て替えないと使えないような状況になってしまうでしょう。その間、ずっとメンテナンスをしていこうと考えるとかなり大変になり、結局は早い段階で売るという結論に達してしまうのが通例です。このような親世帯が去った後のことも考慮しても一緒に住める家を建てるのにはメリットがあるのです。

デメリット

光熱費(生活費)の分担が難しい

二世帯住宅は光熱費(生活費)の分担が難しいというデメリットがあります。玄関や洗面所、リビングやキッチンなど、個室以外のスペースをすべて共同するタイプの「完全同居型」の二世帯住宅の場合、光熱費の分担はかなり難しいでしょう。

特に、電気メーターをひとつにまとめている住宅は「どの世帯がどれぐらい電気を使用したのか」が分かりにくく、折半した際にどちらかの世帯が損してしまう可能性もあります。光熱費の使用料は各世帯によって異なります。

そのため、二世帯住宅を建てる場合は電気メーターを分けて、電気代を別々に請求してもらうのがおすすめです。

知人・友人を呼びづらい

知人・友人を呼びづらいのも、二世帯住宅のデメリットとして挙げられます。二世帯住宅の場合、夫婦のどちらかの親世帯が同じ家で生活しているので、完全にプライベートな空間で気兼ねなく知人・友人と過ごすのは難しいでしょう。

たとえ知人・友人を招き入れたとしても、事前に知人・友人が自宅に来ることの許可を親世帯に伺ったり、招き入れた際も大きな声や長居を控えてもらったりするなど、親世帯に気を遣うこともあるでしょう。

そのため知人・友人を頻繁に招き入れることを想定して二世帯住宅を建てるなら、各世帯の居住スペースが完全に分離した「完全分離型」を選ぶのがおすすめです。完全分離型の二世帯住宅は水回りやトイレ、部屋の場所などが離れているので、互いの生活を干渉しない、そして気にならない構造といえます。

プライバシーが確保しづらい

二世帯住宅を検討しているものの、なかなか踏み出せない方の中には「二世帯住宅はプライバシーが確保しづらいのでは?」と考えている方もいるでしょう。確かに、完全同居型の二世帯住宅の場合は共有スペースが多く、それぞれの世帯のプライバシーが確保されにくい傾向があります。

そのため「夫婦だけの時間がほしい」「子どもやパートナーとの時間を大切にしたい」「趣味に没頭したい」などの悩みが出てくることもあるでしょう。そんなときは、先述した完全分離型や、同じ敷地内に二世帯分の家を建てる「別棟二世帯住宅」がおすすめです。

どちらも共有スペースがほとんどないので、プライバシーが確保できます。「完全に生活を分けるのは寂しい気がする」という場合は、玄関やお風呂などの一部分を共有する「部分共有型(一部共有型)」も検討してみてください。

 

まとめ

一世帯住宅を2軒建てるか、二世帯住宅で一緒に住むかの判断は難しいこともありますが、親世帯と子世帯で住居を共有することによって費用を削減できるのは大きなメリットになります。

また、共有部分を広く取るとコミュニケーションの機会が増えるのも魅力で、家族仲が良いならより楽しい生活を送れるようになる可能性があるでしょう。

長期的に見ても相続に伴うトラブルを防ぐのにも有効的ではあるので、これから注文住宅を建てたいと考えているときには2世帯住宅の建築も前向きに検討してみるのもよいでしょう。

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