二世帯住宅に増築する際の費用はどれくらいになる?
増築やリフォームは人生において、そう何度もあるものではないです。後悔せぬよう時間をかけて比較検討しましょう。単純にお金だけで換算できない部分もあるので、できるだけ多くの話し合いの場をつくりながら話を進めていくのが無難です。
その際、親身になってくれる業者がいれば、心強い存在となるでしょう。
ライフスタイルに応じた選択が必要
結婚や出産といった家族状況の変化により二世帯住宅への増築を考える人も多いと思います。二世帯住宅ならお互いの生活を見守れるという安心感が大きな魅力です。
いくつかのタイプがあるので、それぞれのタイプ別によるメリットやデメリットをきちんと知った上で検討していきましょう。
共有となるスペースがどの程度なのかにより間取りが変わってくるだけでなく、誰の名義にするかでもローンや税金に影響があります。増築を考えるなら皆が快適と感じられるよう家族全員での意見交換が必要です。
まず2つの家族が通常の一戸建て住宅にそのまま暮らす完全同居型があります。このタイプは玄関やトイレ、キッチンなど全て共有するので二世帯住宅としての特別な設計は不要です。
しかし家族同士のプライバシーが問題となりがちなので、部屋の場所について十分な配慮が必要です。そしてキッチンなどの設備を分ける部分同居スタイルならお互いの関係や距離感に応じた生活が可能になります。ただ共有する場所の広さ次第で費用が変わるので、その点について考慮しながらプランを練っていきましょう。
更に家の入口となる玄関から別とする完全分離スタイルがあります。これは同じ土地と建物の中に2つの世帯がいながら、実質的に1つの世帯で暮らしている状態です。工事費用が最もかかる選択肢ではありますが、お互いのプライバシーを尊重できるという点で大きなメリットがあります。
適性価格で増築するには相場を知ることが必要
二世帯住宅にするための費用は、選んだタイプにより大きく異なります。まずは適正な価格で増築できるよう相場価格についてあらかじめ調べておくことが必要です。
簡易的なリフォームなら30万円から150万円程度で済ませられますが、実際にはそうはいきません。完全分離型では1500万円、部分同居なら1200万円、完全同居なら1000万円が相場となるので、これ等を1つの目安として考えましょう。
これ等の費用で差が付くのは設備と壁の数によるものが大きく占めています。完全に同居するタイプや部分同居の場合だとある程度は抑えられますが、200万前後の追加工事費用が必要になることがあります。
完全分離タイプだと大掛りな間取りの変更を伴うため500万円以上の追加費用がかかるケースも少なくありません。住む人の生活スタイルによっても変わるので、お金だけに囚われず慎重に選ぶことが必要です。
そして二世帯住宅に増築する際、省エネ性や耐震性などを目的とした工事については補助金を利用できる場合があります。事前に依頼する業者へ問い合わせてみましょう。
お得に増築①受けられる補助金(助成金)
お得に増築するには、まず受けられる補助金(助成金)をチェックしましょう。ふたつの世帯が同居する際、要件を満たしたリフォームを実施することで補助金制度が利用できます。
主な補助金は、「長期優良住宅化リフォーム推進事業」「地域型住宅グリーン化事業」です。
長期優良住宅化リフォーム推進事業は、「耐震性や耐久性、省エネ対策などの性能を一定レベルにまで引き上げる工事」を対象に、国が事業の一部を補助する制度です。補助限度金額は1戸当たり100万円~250万円です。
ただ、補助を受けるためには長期優良住宅化リフォーム推進事業制度に登録しているリフォーム会社に依頼しなければなりません。依頼する前に、まずはリフォーム会社をリサーチしましょう。
地域型住宅グリーン化事業は、耐久性や省エネ性に長けた木造住宅建築物の整備をサポートするための事業です。一定の水準をクリアした住宅を建築する際に補助金が受け取れます。
補助金の対象となる住宅は、長期優良住宅や高度省エネ型、ゼロ・エネルギー住宅型、省エネ改修型、優良建築物型です。補助金の上限は住宅のタイプによって異なりますが、1万~110万円と定められています。
ただ、独立した2戸の住居は対象外なので、完全分離型の二世帯リフォームではなく、同居型の二世帯住宅を選びましょう。
お得に増築②減税制度
二世帯住宅をお得に増築するもうひとつの方法は、減税制度を利用することです。二世帯住宅の増築で利用できる減税制度は「同居対応リフォームのローン型減税」と「同居対応リフォームの投資型減税」です。
同居対応リフォームのローン型減税は、5年以上の住宅ローンを借りて、一定の条件をクリアした同居対応リフォームを実施した場合に利用できる減税制度です。
年末ローン残高を上限に対象となるリフォームの工事費用の2%(または1%)が居住を開始した年から5年間、所得税から控除されます。控除対象限度額は1,000万円です。
一方、同居対応リフォームの投資型減税は、一定の条件をクリアした同居対応リフォームを実施した場合、250万円を控除対象限度額として、1年間工事費用が所得税から10%控除される制度です。住宅ローンの借り入れがなくても利用できます。
どちらの減税制度も、キッチンの増設、浴室の増設、トイレの増設、玄関の増設のどれかを含む工事を実施することが条件です。また、親名義の実家を二世帯住宅へリフォームする場合は、「相続時精算課税」を活用して自宅の名義を「資金提供する家庭の名義」に変えるという方法もおすすめです。
相続時精算課税は親子間であれば2500万円まで無税で財産贈与できる制度なので、課税を避けられます。補助金制度だけでなく、減税制度や課税制度についてもしっかりリサーチしてお得に増設しましょう。
パートナー選びで差が付く二世帯住宅
二世帯住宅に増築するには、一緒に考えてくれるパートナーの存在が大きく影響してきます。こちらの希望を忠実にカタチにしてくれるだけでなくプロの目から見た的確なアドバイスも大切だからです。
千葉県内には各分野で幅広く事業展開している大手ハウスメーカーや地域密着型の工務店まで数多くの業者が営業しているので、比べて選ぶことができます。正確な価格を知るためには、現地での綿密な調査をした上での見積もりが必要です。
何度も業者相手に説明するのは面倒ですが、信頼できる優良業者を見つけるためには必要な作業です。複数の業者へ一括で見積もりを依頼できるサイトがあるので、利用すれば手間が省けます。
そしてどうしても納得できる業者が見つからない場合には、口コミサイトを利用するのが得策です。実際に増築したことがある人の貴重な意見や体験談を知ることができるので、選ぶ際の参考になります。
気になる業者を見つけたら、その業者が主催する説明会やイベントに積極的に参加しましょう。何度か参加している内に聞き慣れない専門用語などについて少しずつ理解できるようになるので、より見識が深まります。
二世帯住宅という選択肢を選んだ人は、まず目的や予算を明確にしておくことが必要です。そのためには、まず家族で話し合いの場を持つことが大切です。そして適正価格で増築するためにも各タイプ別における相場価格について自前に調査しておきます。
そして理想的な二世帯住宅とするには、親身に応じてくれる業者に依頼しなければなりません。インターネットを駆使してできるだけ多くの情報を集めながら優良業者を絞り込んでいきましょう。業者選びでは、実績や評判などから総合的な判断が必要になります。